2005年12月21日

シナリオについて其の1

最近は実作業が一段落ついたので映画の全体像についていろいろ考える余裕が出てきました。
現段階でのシナリオは予備稿にあたる程度の出来でしかなく、実際に撮影することになった部分だけをその都度詰めているのですが、このあたりで少し手を加えてみたいと思ってきました。これからキャストや撮影場所、スケジュールなどを決めてゆくにあたり、シナリオがある程度きちんとしている方が話を進めやすいということもあります。とはいえあまり長くなってしまうと撮影自体が大変になりますから、最低限の内容で、という条件付きで煮詰めたいと思います。それでも最低あと1ページは延びると思いますが。

さて、帆根川は普段本などほとんど読まない、習うより慣れろを地でいっているような性格なのですが(汗)今回のシナリオを制作するにあたって、ネットなどでその筋の人達の中で定番と言われていた本を一冊だけ読みました。それが「シナリオの基礎技術」(新井一著)という本です。これは本当によい本で、シナリオの「技術」的な部分や、映像というものの考え方・捉え方がよく理解できた気がします。シナリオに限らず「見せ方」という点において映画は自分にとっていままで知らなかったまったく新しい表現領域なのだということを認識しました。

一冊だけと書きましたが、その前に人から借りて読んだ「演劇入門」(平田オリザ著)の存在も自分にとっては大きかったように思います。この本では演劇特有の「セリフ」を書くことの大切さ、難しさを知りました。

そして実際の制作に取り組んでいる今になってもう一冊、とてもよい本を見つけました。「エンターテイメント映画の文法」(純丘 曜彰著)です。エンターテインメント?自分が映画でやりたいのはハリウッドのような娯楽表現ではないぞ…などと思いつつも内容を見てみると、これが本当に映画というものを体系的・構造的に分類・整理しつつ明快に解明していて、その理論がカバーする範囲も原案の段階から実撮影における1ショットの技法にいたるまで普遍的であり、とにかくわかりやすいものでした。これに照らし合わせてEMPTYxBLUEのシナリオを読むことで自己評価も可能だし何が足りないのかを考えるうえで強力な手がかりにもなります。映画に限らず、小説や舞台などあらゆる創作表現に適応可能な一冊だとおもいます。

自分なりに今回の映画は、映像的・感覚的な作品になるのだろうと、当初考えていました。けれども制作を続けてきて、たしかにそういった傾向はあるかもしれませんが、多くの人に観てもらう以上は、自分の表現したいテーマを追求しつつも観てくれた人に楽しんでもらいたいという気持ちも今は強いのです。そのためには固有のカラーを大事にしつつも、既存の形式に似た撮り方・展開・リズム感などは必要だと思います。 まあ作品である以上は偏りは付きものであり、もしどちらを取るかと問われたらもちろん自分の表現の方でしょうけれど…。

最初の頃、人にシナリオを見せるとよく「少女の正体がわかりづらいから違う設定にしたら?」と言われたことがありました。でも実はそれは、シナリオの中枢の部分にかかわることなんですよね(^^;)もしそんなふうに変更したら、物語の構造の根本が無くなってしまうわけです。でも自分はそれを言ってくれた人が、物語を読み取る力が乏しいのだとは考えませんでした。むしろシナリオの段階で、決定的な欠点や不備があったからだろうと思い、ぎりぎりまで説明的にならない 範囲で、その存在が何となくわかるように書き換えてきました。まだ洗練されてないところもあるのでこれからも変わっていくと思いますが。ただやはり自分は、観る人にいろんな解釈の余地を 残すタイプのシナリオが好きだし、観た人のこころのなかに波紋を投げかけて、観た後にその人の中だけの世界が広がっていくような映画をよい作品だと思っていますので、こちら側で答えを断定したくはなかったので…。
これは一つの例ですが、やはりシナリオって重要なんだなーと思います。今後、キャストや協力者の方々をさらに募るわけですが、そういった人達がこの映画に関わるかどうかの判断材料となるのはやはりシナリオだと思います。映像的過ぎて文章化できない部分がかなりありますが、できる限り完成に近づけて、みなさんに読んでもらいたいと思います。
この年末は、シナリオかな?(^^;)


posted by 帆根川 廣 at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画についておもうこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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