その最初のカテゴリーは、“機材編”からスタートです。
この“機材編”では、毎回いろいろな観点からみなさんが今後使うかも知れない機材について検証していきます。
今回は、もはやデジタル映画の王道と言ってもよいほどに浸透した、Canonのデジタル一眼レフカメラ EOSシリーズのなかで最も手軽に本格的な動画撮影が出来る、「EOS Kiss X4」を紹介します。

いまこれが一番現実的?
はっきり言ってしまえば、『ゼロからの劇場映画制作講座!』が今回のような小規模の劇場映画制作を前提としたとき、一番現実的なカメラがこの「EOS Kiss X4」です。
EOSシリーズには現時点で「5D MarkII」や「7D」、「60D」などの上位機種が有りますが、この「Kiss X4」は入門機といえる位置づけでとても安く手に入るという特長が有ります。(2010年12月時点で、ダブルズームレンズキットが7万円程度。ボディのみが6万円弱。いずれもネット通販価格。)
そして肝心な画質ですが、映像だけ見る限りでは、僕の目には「7D」「60D」と「Kiss X4」の違いはよくわかりません。「5D MarkII」の映像は、かなり違いがあるのがわかります。
もちろん場面によっては明らかに違いがわかる部分もあるとは思いますが、少なくとも映画を鑑賞される一般のかたが映画館やDVDで、この映画はEOSの上位機種で撮った、とか、これは入門機種だ、とわかることはまずありません。どの機種で撮っても、以前のビデオカメラと比べれば夢のように美しい映像が撮れてしまいます。
僕は監督作『エンプティー・ブルー』で、SONYのHDR-FX1というビデオカメラを主に使用しましたが、それと比べるとEOSムービーが作る映像の精細さや深みには、まさに天と地ほどの違いを感じます。
ただ、使用するカメラは作品のテーマやジャンル、内容、スタッフの数や質などに応じて適切に選択する必要が有ります。それは、カメラの選択が映画全体の持つ雰囲気や、制作現場の進行、ポスプロ環境などを大きく左右するからです。
そんなわけで次回から、制作に使用するカメラ候補の中で一番気軽な選択肢のひとつとして「EOS Kiss X4」をお借りし、実際に少しずつ使ってみながら、その画質や使い勝手、特長などを確かめていきたいと思います。
もちろん他にも魅力的なカメラはたくさんありますので、なるべく中立的な立場から他機種との比較検討などもしていければと考えています。どうぞお楽しみに。

帆根川愛用の自作カメラクレーン(ジブアーム)に装着した「EOS Kiss X4」
とりあえず「EOS Kiss X4」で試し撮りした映像。テストのため手ぶれ、チラつきがかなりありますが、ぼけ味や発色、ノイズの少なさなど、劇場公開映画のカメラとして使用するのに充分な画質で有ることが確認出来ました。(※使用したレンズはCANON EF 50mm/f1.4の単焦点レンズ)


